"; if($imagname == "tanaka_slide") { ?>

元素が生まれる時

星の中では核融合が起きており、常に新しい元素が作られています。
特に、太陽よりも10倍以上重い星の中では、時間とともに炭素、酸素、ケイ素などのさまざまな元素が作られ、
一生の最期にはたまねぎのような層状構造が星の中に出来上がります(右側の図)。
このような重い星は、一生の最期に大爆発を起こすことが知られています。
これが「超新星爆発」と呼ばれる現象です(左側の写真)。
超新星爆発によって、星の中で作られた元素は宇宙空間に放出され、
ほとんど水素とヘリウムだけで始まった私たちの宇宙に新たな元素がもたらされます。
星の誕生と爆発のプロセスを無数に経て、私たちの宇宙はさまざまな元素にあふれた現在の姿となったのです。

前回の公開講演会の様子

大阪大学で開催された日本天文学会2015年春季年会(2015年3月)にあわせて、
大阪市立科学館で公開講演会が行われました。

前回の公開講演会の様子

大阪大学で開催された日本天文学会2015年春季年会(2015年3月)にあわせて、
大阪市立科学館で公開講演会が行われました。

宇宙に存在する多様な元素

元素はそれぞれの中心にある原子核とその周りにある電子によって化学的性質が特徴づけられます。
電子がどのような軌道で原子核の周りにいるのかによって化学的性質が異なります。
この電子軌道によって宇宙に存在する全ての元素を整理して並べたものが周期律表と呼ばれるものです。
例えば左端は一番外側の軌道に電子がひとつしか存在せず、すぐにほかの原子と反応する「アルカリ金属」と呼ばれる種族ですが、
それに対して右端は外側の軌道が電子ですでに埋まっており、ほかの原子とほとんど反応しない「希ガス」と呼ばれる種族です。
このように電子軌道のバラエティによって、多様な性質を持つ元素が宇宙にあふれているのです。

原子の”芯” ― 原子核 ―

原子核はすべての元素(原子)の中心にあってその質量のほぼすべてを担っている“芯”のようなものです。
原子核はプラスの電気を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子からなっており、
そのエネルギー状態に応じて様々な構造を持つことが知られています。
図は酸素の原子核のある状態を表しており、2つの陽子と2つの中性子が塊(α粒子)を作って、
それらが4つ集まっていることをを模式的に表しています。

宇宙最初の天体の誕生

宇宙が始まっておよそ一億年後、最初の明かりが暗黒の宇宙にともりました。初代星です。
これらの星々は、重さが太陽の百万倍くらいある、ダークマターでできた雲の中で生まれたと考えられています。
ダークマターはその素性はわかっていませんが、重力をまわりのガスに及ぼします。
ダークマターの重力場に引き込まれたガスがやがて固まり、図のような円盤を作りながら星へと成長していったと考えられています。
これらの星々は宇宙の最初の明かりであるというだけではなく、宇宙で初めて炭素や酸素などの元素が形作られたという、
宇宙史において重大な意味を持っています。